アニマルプラスの特別なメディカルケア
免疫介在性溶血性貧血
動物の種類 | 犬 |
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年齢 | 5歳 |
診療科目 | |
症状 | 症状は特になし。秋の健康診断キャンペーンで健診の血液検査希望で来院 |
症状概要
健診血液検査の結果、貧血が認められました。貧血の程度としては軽度でしたが、定期的に受けられている健診からは明らかに低いこと、年齢的にも貧血気味になる要因が見当たらないことから早急に精査を実施しました。 貧血の診断には、まず再生性(体は造血できるが消費が激しいので貧血になる)か非再生性(体が造血できないので貧血になる)かを分類します。様々な要因が影響するので、はっきりと分類できないことも多いのですが、今回は「再生性貧血」でした。再生性貧血の原因は、出血(外からは見えない胸やお腹の中で出血していることが多い)または溶血(赤血球が壊れる状態。タマネギなどの中毒、感染症、免疫介在性、低リン血症などが原因で起こる)です。これらを一つ一つ検査しながら調べていきます。今回は「免疫介在性溶血性貧血(IMHA)」と診断しました。
治療方法
IMHAはステロイドや免疫抑制剤といった免疫を抑える薬を使って治療していきます。薬剤に対する反応が悪い場合も珍しくなく、かなりの高用量で多数の薬を使用しないといけない場合もあり、その分、副作用のリスクも高くなってきます。 本症例は現在のところ経過は順調で、今後は少しずつ薬の量を漸減していく予定です。