動物病院アニマルプラス
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膀胱腫瘍

動物の種類
年齢 13歳
診療科目
症状 2019年5月:排尿障害

症状概要

2019年5月に排尿障害(おしっこしようとするが、ポタポタしか出ない)の診断のため、画像検査を行ったところ、超音波検査にて膀胱内に腫瘤病変を認めた。麻酔下でのカテーテル生検では確定診断に至らなかったため、BRAF遺伝子変異検査にて移行上皮癌と診断。

治療方法

外科的処置では根治は困難な場所に腫瘍があったため、抗がん剤による治療を開始。

治療・術後経過

一時的には腫瘤が消失したが、寛解を維持することが困難なため、薬剤変更などしながら抗がん剤を継続。 重度腎機能の悪化がみられたため、2020年4月から抗がん剤を中止し、活性化リンパ球療法を実施。一時は、腎不全による生命の危機も危ぶまれたが、状態は落ち着き、その後は2020年12月まで寛解を維持したが、腫瘤の再発が見られたことと、腎不全の方がある程度落ちついていたことから抗がん剤治療を活性化リンパ球療法と併用して実施。2021年10月現在、腫瘤は見られるが大きく増大傾向はなく全身状態を維持しています。 膀胱腫瘍については、本症例のように、膀胱三角部(膀胱の尿道、尿管の開口部)に腫瘍がある場合は外科適応とならない場合が多く、文献により差はありますが、予後はどの治療でも概ね1年以下と言われていますが、本症例では、抗がん剤治療を活性化リンパ球療法を組み合わせることで非常に長期間にわたり維持できています。 抗がん剤の投与回数が多いこともあり副作用(元気や食欲の低下、骨髄抑制による免疫力低下)が強く、また1年以上前から腎機能低下もかなり重度でしたが、ここまで長く維持できているのは、ワンちゃん自身がとても我慢強く治療に耐えてくれて、また飼い主さんの懸命な努力があったからだと思います。