動物病院アニマルプラス
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炎症性ポリープ

動物の種類
年齢 14歳
診療科目
症状 数カ月前から便の形が細く、時々血便がでている。食欲や元気はある。

症状概要

慢性経過であったため直腸検査(肛門に指を入れて直腸粘膜を触診する検査)を実施したところ、直腸粘膜における複数の結節性病変を触知しました。内視鏡による組織生検の結果、炎症性ポリープと診断しました。

治療方法

炎症性ポリープはミニチュア・ダックスフンドに好発する疾患であり、免疫抑制療法に反応を示すことから、自然免疫系の異常を中心とした免疫介在性の病態であると考えられています。症状としては血便やしぶり、便の形状の変化がみられますが、食欲不振などの全身的な症状がみられることは少なく、血液検査では異常がみられないことも多々あります。そのため、疑いがある場合には、まず直腸検査を実施します。ただし、指の届かない部位に発生することもあるため、最終的なポリープ病変の有無の確認や確定診断には内視鏡検査が必要となります。 治療としては内科的な免疫抑制療法、内視鏡下もしくは外科手術による切除・減量が挙げられます。本症例のポリープは、肛門付近の直腸粘膜に限局しており、個々のポリープのサイズも小型であったため、ステロイドと免疫抑制剤による内科治療を選択しました。炎症性ポリープの症例の一部では、病変が直腸腺腫や直腸腺癌といった腫瘍に転化することがあります。本症例では、早期に病変を発見することができたため、速やかに治療を開始することができました。引き続き内科治療を継続し、病変のモニタリングをしていきます。 便が細いといった症状や持続的な血便がみられる場合には、早めの受診・検査をおすすめします。