動物病院アニマルプラス
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心房細動

動物の種類
年齢 12歳
診療科目
症状 はしゃいだ後に失神する

症状概要

重度の僧帽弁閉鎖不全症が見つかったため、強心薬などによる治療を開始。失神や咳は改善が見られたが、約半年後の定期健診にて大きく調子の変化はなかったが心拍数の上昇(200/分以上)が見られたため心電図検査を行ったところ、心房細動が見られた。

治療方法

強心薬やカルシウムチャネル遮断薬などによる治療で一時安定、定期健診でも良好に維持されていたが、7か月後に急な咳の悪化で来院。頻脈と心房細動が見られ、βブロッカーや利尿剤の追加で再度安定。その後、子宮蓄膿症や、うっ血性心不全に伴う腹水貯留などの症状がみられたが、抗生剤や利尿剤の増量・追加により状態を維持。その後は、発症から2年以上の間QOLの維持ができました。

治療・術後経過

心房細動は、心疾患に伴い発生する場合と、心疾患を伴わない場合がありますが、心疾患に伴うばあいは、僧帽弁閉鎖不全症などのうっ血性心不全による左心房拡張によって発生することが多いと言われています。心房細動を呈した症例の多くは、心拍が早く心房収縮が欠如するため、拡張期の心室充満が減少することに伴い心拍出量が低下し、心拍数の増加に伴いさらなる心機能の悪化をもたらします。ですので、治療目標として心拍数を下げて心室興奮頻度を減少させることが重要で、また、急激に臨床状態が悪化することから、緊急疾患として対応する必要があります。特にうっ血性心不全に伴って心房細動に陥ると予後が悪いことが報告されています。 本症例では、うっ血性心不全に伴って心房細動が発生したと考えられ、また、他の重篤な疾患の併発も見られたましたが、長期にわたりQOLの維持ができました。