アニマルプラスの特別なメディカルケア
外耳炎
症状概要
外耳炎とは様々な要因が引き金となって、耳の中に炎症が起きている状態のことである。
外耳炎の罹患率は、犬で7.5%〜16.5%、猫で2〜6.2%だと言われています。
一般的な症状
・耳を痒がる
・耳が臭い
・耳が赤いor赤黒い
・耳垢が多量に出る
外耳炎を放置しておくと、鼓膜が破れたり、中耳炎、
酷い場合は、神経症状などが出る場合があります。
外耳炎の原因
・細菌、真菌感染症
・外部寄生虫感染症
・アレルギー
・内分泌疾患
・自己免疫疾患
・角化症
・異物
外耳炎といえば細菌感染や真菌感染などの感染症がイメージしやすいですが、治らない外耳炎、繰り返す外耳炎では、
実は感染症が根本的な原因ではない場合が多いです。
治らない外耳炎、繰り返す外耳炎で、最初に発症した年齢が6ヶ月未満だった場合は食物アレルギーや本態性脂漏症、3歳未満だった場合は食物アレルギーや犬アトピー性皮膚炎、中〜高齢での発症の場合は内分泌疾患、食物アレルギーなどが根底に潜んでいる可能性が高いです。
治療方法
外耳炎の治療には大きく分けて3つ
・洗浄
・点耳薬
・内服薬
の3つの方法を使い分けて使用します。
前述したとおり、細菌や真菌などの感染症が根本的な原因ではないことが多いので、
基本的には「洗浄」をメインにして行います。
あとは炎症具合や耳垢の量などに合わせて、抗生物質や抗真菌作用のある点耳薬を使い分けることになります。
また、掻く行為は外耳炎を悪化させる要因になりうるので、痒み止めの投薬やエリザベスカラーの装着が必要になります。
外耳炎が治らない、もしくは繰り返すのであれば、
根本的な原因について検討する必要があります。
根底にあるのがアレルギーなのか、内分泌疾患なのか、犬種特異的なものなのか、
原因はワンちゃんによって様々ですが、原因の特定ができなければ、
スムーズに治療を行うことができるでしょう。
治療・術後経過
本症例では来院当初に重度の炎症、耳道の肥厚がみられ(ページ上部写真)、痛みを伴うほどの痒みを呈していました。
初発が1歳未満(今回が初めてではない)ということを考慮すると、根底にアレルギーがある可能性が高いです。
本症例では、週に1回の耳洗浄に加えて痒み止め、抗生物質の投薬を行うと、2週間で劇的な改善が見られました。(下写真)
外耳炎は慢性化すると、中耳炎や神経症状を引き起こすことがあります。
愛犬が耳を痒がっていたり、耳垢や耳の匂いが気になり始めたら、
早めにお耳の洗浄を行いましょう。
また治らない外耳炎や痒みについても、遠慮なく相談して下さいね。