動物病院アニマルプラス
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エバンス症候群

動物の種類
年齢 0.5歳
診療科目
症状 貧血

症状概要

他院にて重度の貧血がみられ免疫介在性溶血性貧血(IMHA)と診断されステロイド等による治療中に当院に転院。

治療方法

転院後の経過から、IMHAと免疫介在性血小板減少症(ITP)が同時に起きている「エバンス症候群」という状態になっていることが疑われました。エバンス症候群は、非常に予後が悪く、治療反応が乏しいと亡くなってしまう可能性が高い病気で、高容量のステロイドをはじめとした免疫を抑える治療を行います。 ですので、急いで免疫抑制の治療をさらに強化し、ステロイドの増量や免疫抑制剤の追加を行ったが改善が見られず、ヒト免疫グロブリン製剤を投与しました。しかし、まだ反応が乏しかったため、次に最後の希望としてシクロホスファミドの投与を行ったところ状態が安定しました。その後は、ゆっくりと薬を漸減していきましたがステロイドの副作用と考えられる肝酵素の重度上昇が起き肝機能不全(黄疸)が起こってしまったため、今度は内服薬の減量を急ぐ(あまり減量を急ぎすぎると免疫介在性疾患の方がぶり返してしまうので、むやみには減量できないところが難しいところです)とともに点滴等の対症療法を実施。 幸い、貧血はぶり返すことなく、肝酵素も落ち着き、現在のところ、まだ薬は多いですが、かなり減量でき状態を維持できています。

治療・術後経過

本症例は最初は、治療反応が悪く、また子犬さんなのに副作用の多い薬を多く使わないといけなくなったので心配しましたが、ここまで回復してくれて本当に良かったです。免疫の病気は非常に時間も通院の労力もかかり薬も高額なものが多いので、飼い主さんも本当に大変だったと思います。 病気に打ち勝ったワンちゃんもちろんですが、頑張って通ってくれた飼い主さんも本当にご苦労様でした。