アニマルプラスの特別なメディカルケア
気管虚脱
動物の種類 | 犬、トイプードル |
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年齢 | 15歳歳 |
診療科目 | |
症状 | 急に咳をし出したのが気になると来院。 |
症状概要
犬の咳の原因は、大別すると①上部気道(鼻〜咽頭部)②下部気道(気管〜肺)③心臓の問題に分かれます。この何処かにトラブルが起こると咳の症状を示します。 本症例では心臓の雑音なども聴こえず、レントゲンで心拡大なし、胸郭入口部で虚脱した気管が確認され、気管虚脱による咳と診断した。
治療方法
気管虚脱は中高齢の子の小型犬に多く、気管軟膏が弱くなり気管の形を保てなくなる病気です。その重傷度によって4段階にグレード分類します。グレード1は内腔狭小が25%以下、グレード2では25〜50%、グレード3では50〜75%、グレード4では内腔が完全に消失してしまっている状態です。 その重症度によって治療の内容は変わりますが、 まずは体重の管理、室温湿度管理、ステロイドや抗菌剤の内科治療でのコントロールをめざします。 グレードが3以上の場合は、気管の構造を保持するための外科手術が適応になります。 手術では、気管外から気管リング、プロテーゼを装着する方法や気管内スタントを装着する方法などがあります。
治療・術後経過
本症例では気管虚脱はグレード2であり、内科治療として、気管拡張剤の内服と、数日おきにネブライザー(吸入)を1週間実施しました。また、その後の体重管理をしっかりとすることで咳は減り、良好にコントロールすることができています。