動物病院アニマルプラス
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脂肪幹細胞療法(椎間板ヘルニア)

動物の種類
年齢 4歳
診療科目
症状 9月に腰部の椎間板ヘルニアのため他院にて手術。手術前は深部痛覚が消失しておりグレード5(5段階中最も重度の椎間板ヘルニア)だった。

症状概要

術後は、他院にてリハビリと針治療を行っており、起立は不能だがやや痛覚が出てきていたところで、脂肪幹細胞療法を希望のため当院を受診。 受診時は、深部痛覚はあるが反応がかなり弱く、排尿は圧迫して行っていた。

治療方法

11月頭に麻酔下にて脂肪組織を採取。採取した脂肪から幹細胞を培養して、培養した幹細胞を合計3回静脈から投与しました。

治療・術後経過

1回目の投与後以降、深部痛覚の反応が敏感になり、排尿も軽い圧迫で可能になるなど改善傾向がみられました。 その後も自力での歩行はできませんが、自力で起立できる時間が増えたり排尿が敏感になったりとじわじわと改善がみられました。 脂肪幹細胞療法とは、いわゆる”再生医療”です。 幹細胞は、自分と同じ幹細胞を複製しながら、同時に組織や臓器を構成する細胞を分裂によって生み出していく能力を有しています。この細胞を体外で培養し、体内に戻してあげることで、失われた臓器や怪我の再生を行う治療法のことです。 幹細胞は、骨折癒合不全や脊髄損傷、また炎症性の関節炎で治療の研究が進められています。骨折癒合不全では、幹細胞が骨の周囲にある骨膜(こつまく)や、骨細胞、また栄養を運ぶ血管に分化することで骨折部位を修復していくと考えられています。また、脊髄損傷では、幹細胞が血管へと分化し、損傷部位の血流を回復することで、神経細胞の伸長を補助したり、脊髄全体の再形成を促すと考えられています。関節炎では、幹細胞は関節に新たな軟骨や骨膜を形成させ、痛みを和らげたり、炎症を抑制させると考えられています。 まだ新しい治療で、どの病気にどれくらい効果があるなど確立されたデータが乏しい分野ですが、これまで治療が困難だった疾患が治癒したりといった効果が期待されます。