アニマルプラスの特別なメディカルケア
耳介の腫瘤
症状概要
腫瘤は2cmほどで、表面からじわっと血がでて抑えていたらとまるのですが、頭を振るなどの刺激でまた血がでてしまう状態でした。 例えば、背中などのような場所であれば、皮膚と皮膚の下の組織の結合が緩やかなので(要は皮膚に余裕がある)、少々大きな腫瘤を切除しても皮膚が寄ってくれるのでキレイに縫合できますが、耳介部は皮膚が耳介の軟骨がタイトにくっついているので(要は皮膚に余裕が内)、腫瘤部分だけを切除しても皮膚が寄りません。また、良性の腫瘤であってもあまりギリギリで切除すると、植物でいうと根っこが残ったようになって再発するリスクが高くなります。 さらに前述のとおり耳介は皮膚と軟骨がくっついていますが、この結合が外れてしまうと皮膚と軟骨の間に液体が溜まってしまいます。手術の際は、腫瘤をとるために周辺の皮膚と軟骨を剥離しますので、術後のその空間に液体がたまってしまうリスクもあります。
治療方法
上記の理由から確実に腫瘤を切除するには、腫瘤より下の部分の耳介を切除することになりますが、当然、耳の形が変わってしまいます。 今回は、腫瘤周囲の皮膚を軟骨から剥離して、複数切れ目を入れることで皮膚が伸びるようにするとともに、剥離した皮膚と軟骨を縫合することで液体貯留を防ぎました。(耳血腫という病気の場合も、軟骨と皮膚を縫合して空間を埋める手術をします) 切れ目の部分の皮膚は、二期癒合といって皮膚が再生してきて最終的に傷が埋まります。下の写真は術後の傷が縮小してきた時点での写真です。