動物病院アニマルプラス
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子宮蓄膿症

動物の種類
年齢 13歳
診療科目
症状 元気食欲がない

症状概要

1週間ほど前から元気食欲が低下しているとのことでした。同時期から発情出血がみられていたたため、元気食欲の低下もそれに起因したものかと思われていたそうですが、2日前からは全くご飯を食べなくなってしまったようです。 血液検査をしたところ、白血球、CRP(炎症マーカー)の顕著な上昇が認められました。 炎症の原因の特定のため画像検査を実施したところ、子宮の拡張および子宮内への液体貯留が認められたため、子宮蓄膿症が疑われました。

治療方法

翌日に卵巣子宮摘出手術を実施しました。術後も抗生物質や点滴治療を継続して実施したところ、順調に状態は回復し、手術2日後には自分でご飯も食べられるようになりました。

治療・術後経過

子宮蓄膿症は、子宮内膜の嚢胞性増殖と細菌感染による炎症(子宮内膜炎)が起こり、子宮内に膿性液が貯留する病気です。中高齢の未避妊雌に認められることが多く、発症の平均年齢は8〜10歳と言われています。外陰部からの排膿が認められる”開放性”の場合には、オーナーが排膿に気づくことによって早期に病気が見つかることもあります。しかしながら、子宮頸管が収縮して外陰部からの排膿を認めない”閉鎖性”の場合には、一般的に重症化しやすく、病気が見つかるのも遅れることがあります。また、子宮蓄膿症は、子宮内の細菌、細菌毒素が血液中に入り込み、全身に炎症を起こすことがあります。この状態を敗血症といいますが、命に関わる合併症です。 子宮蓄膿症の治療は抗生物質やホルモン剤による内科治療と、手術により卵巣子宮を摘出する外科治療に分けられますが、内科治療では再発のリスクがあるため、一般的には外科治療が推奨されています。本症例は、高齢かつ状態も悪い中での手術になりましたが、術後も順調な経過を辿りました。