動物病院アニマルプラス
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低カルシウム血症

動物の種類 トイプードル
年齢 16歳
診療科目
症状 夜中に様子がおかしく、急に手足をバタバタさせて発作を起こした。落ち着いた後もふらつきがひどく、まっすぐ歩くことが難しいとのことで来院された。もともと、病院には腎不全の治療のため、通院での皮下点滴に通っていた。

症状概要

発作を起こす原因は、様々で、大きく頭蓋内か頭蓋外に分かれる。頭蓋内の問題は腫瘍や炎症、血管性の問題などがあるが、診断を行うためには麻酔下で行うMRIでの検査が必要になる。頭蓋外の原因は、低血糖、低カルシウム、腎不全、肝不全、心肺疾患、中毒などがあり、血液検査によって診断を行う。 本症例では、まず院内での血液検査を行ったところ、腎不全も普段よりはやや数値の上昇が見られたが、カルシウムの数値がかなり低く、基準値を大きく下回っていた。

治療方法

発作の原因になり得る低カルシウム血症の治療をまず行った。まずは急性期の治療では、血中カルシウム濃度を6mg /L以上になるようにグルコン酸カルシウム液の静脈内投与をおこなった。投与を行うと、歩行時のふらつきが改善された。 また、ビタミンDが胃腸からのカルシウム吸収を促進するため、カルシウム濃度を維持するためにビタミンD製剤の経口投薬も同時に行った。

治療・術後経過

発作の治療として、抗てんかん薬も併用を行いながら、定期的にカルシウムの血中濃度を測定し、それにあわせて内服を調整した。カルシウムの数値が上昇するにつれて発作やふらつきの症状の改善がみられた。