動物病院アニマルプラス
完全予約制 / 土日祝も診察
  • 診療時間
    月~土   9:00〜12:00/16:30〜19:30
    水・日・祝 9:00〜17:00
  • 休診日
    年末年始
  • 往診・手術
    13:30〜16:30

認知機能不全症候群

動物の種類
年齢 15歳
診療科目
症状 ここ最近になって昼夜逆転した生活になっており、夜鳴きしてしまう。部屋の隅で立ちつくしていることが多い。

治療方法

犬にとっても飼い主にとっても快適な生活が遅れるよう、環境面を整えてもらうよう指示した。具体的には、寝床、水飲み場、トイレなどはある程度近くにまとめてもらい、移動の負担を減らすようにしてもらった。角や隙間で行き詰まってしまわないように、円形サークルなどの導入も提案した。また、適度な刺激や運動は認知機能の維持につながるため、散歩や日光浴(特に朝)を日課にしてもらうよう指示した。 さらに、認知機能の改善を目的としてDHAやEPAを含有したサプリメントを処方した。連日の睡眠不足を招き、最も深く飼い主を悩ませていた夜鳴きについては、鎮静作用のある薬剤を低用量から処方した。

治療・術後経過

犬も人と同様に高齢期になると認知機能が徐々に低下していき、様々な行動障害を呈するようになる。明確には定義されていないが、認知機能不全症候群と呼ばれている。行動障害としては、①見当識障害(家の中で迷ってしまうなど)、②社会的交流の変化(物事に無関心になるなど)、③睡眠サイクルの変化(夜間に活動し、日中は寝ている)、④学習した行動の変化(排泄の失敗、コマンドを忘れるなど)、⑤活動の変化(俳諧するなど)が挙げられる。 認知機能不全症候群は根治は不可能であるのが現状であるが、症状を緩和し、動物および飼い主両方のQOLをできるだけ保つことが重要である。そのためには、環境面のケアから、食事介助、薬物療法に至るまで、症状に応じた治療により早期に介入する必要がある。