動物病院アニマルプラス
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セキセイインコの卵管脱

動物の種類 セキセイインコ
年齢 2歳
診療科目
症状 1週間前から下痢が続いており、数日前から元気がなくなってきた。 お尻から卵が出かかっているが、数時間出てきていない。 *今回の症例は緊急性を要したため、術前の写真を取れておらず、写真は参考写真です。

症状概要

「卵管脱」とは産卵の際に卵管が外転し、排泄口から脱出した状態のことを指します。脱出した卵管は、外気刺激や自咬によって腫脹したり、排泄口による圧迫から嵌頓状態となりさらに腫れるという悪循環により、自然整復が不可能となります。 卵管の蠕動異常や、卵質異常による「卵づまり」の際に発生しやすく、初産、過産卵個体で発生率が高くなっています。 また、繰り返し発生することも多いです。 お飼い主様は、お尻から赤いものが見えているに気がついて来院することが多いです。 通常、疼痛から食欲不振、膨羽、沈鬱などの症状がみられ、患部からの出血がみられることもあります。

治療方法

脱出した臓器(卵管)は早急に体腔内に戻す必要があります。今回の場合、卵づまりが原因であり、これを早急に摘出する必要がありました。用手で摘出することも可能ですが、癒着している場合など、用手摘出が困難と判断した場合は、注射器で卵の中身を吸引し、殻を割って摘出する場合があります。今回は卵の中身を吸引した直後に、卵を用手にて摘出できたため、殻は綺麗な状態で出てきました。 卵を摘出した後は、飛び出した卵管を体内に戻す必要がありますので、専用の綿棒で体内に戻し、再脱出を防ぐために縫合を行いました。 縫合した後、排泄が可能であるかを確認しした上で退院としました。 今回は緊急で摘出を行いましたが、卵が無事に摘出できたからといって、油断はできません。 卵が長期間詰まっていたことによる体力の消耗がその後の状態にどれだけ影響を与えるかは未知数ですので、 摘出後も温度管理、そしてビタミン剤や抗生剤など、丁寧な管理が必要です。

治療・術後経過