動物病院アニマルプラス
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卵巣の腫瘍

動物の種類
年齢 14歳
診療科目
症状 健康診断の画像検査を希望。現在特に症状は見られないが、避妊手術は受けておらず前回の発情出血がいつもより長かったとのこと。

症状概要

健康診断の腹部画像検査を行ったところ、脾臓の尾側に混合エコー腫瘤病変が確認された。また腹水の貯留も認められた。

治療方法

エコーで確認された腫瘤病変がどの臓器由来かの特定が困難であったため、試験開腹を行うこととなった。 試験開腹を行ったところ、腹腔内に血液の貯留が認められた。卵巣の腫瘍が確認されたため、卵巣子宮摘出術を実施した。 肉眼で腹部臓器を確認したところ、大網や直腸、卵巣広間膜などにも同様の腫瘤病変が播種している様子が確認された。

治療・術後経過

術後の経過は良好。卵巣腫瘍は病理検査の結果、顆粒膜細胞腫であった。 卵巣腫瘍に対する治療の第一選択は、外科手術である。近年は若齢時に避妊手術で卵巣摘出を受けている犬も多いため、卵巣腫瘍の発生は少なくなってきているが、未避妊犬では6%程度の発生率と報告されている。 今回の症例では、顆粒膜細胞腫と診断された。顆粒膜細胞腫はエストロゲンやプロジェステロンなどのホルモンの分泌により、持続的発情や陰部腫脹、脱毛などの臨床症状が認められることがある。また、腹腔内に遠隔転移することもあり、今回のように腹水の貯留や、胸水の貯留も認められることがある。補助的な治療として、抗がん剤の腹腔内投与や静脈内投与の化学療法の併用や、放射線治療などが有用とされている。