動物病院アニマルプラス
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リンパ腫

動物の種類
年齢 10歳
診療科目
症状 昨日から元気食欲がない 嘔吐や下痢はない

症状概要

身体検査では体表リンパ節(両側下顎、浅頚および膝窩リンパ節)の腫大が認められました。血液検査では非再生性の貧血、白血球と炎症マーカー(CRP)の上昇がありました。腹部超音波検査において、腹腔内リンパ節も多数腫大しているのが見つかりました。多中心型リンパ腫の可能性を考慮し、細胞診検査を実施しましたが、確定診断には至りませんでした。クローナリティー検査においては、Bリンパ球のモノクローナル増殖が認められるとの結果だったので、臨床所見などから総合的に判断し、B細胞性リンパ腫と診断しました。

治療方法

ご家族と相談した結果、犬のリンパ腫治療で最も標準的とされるウィスコンシン大学プロトコール(UW-25)をベースとした治療を実施することとなりました。治療開始によって、リンパ節も縮小し、食欲元気の改善が認められました。現在も治療継続中です。

治療・術後経過

多中心型リンパ腫は、体表リンパ節を主体とするリンパ節の腫瘍性腫大を起こすもので、犬のリンパ腫において最も発生が多いです。診断には病理組織学的検査が望ましいですが、細胞診やクローナリティー検査の組み合わせで診断し、治療を開始することも多いです。治療としては、ビンクリスチン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、プレドニゾロンの4剤(CHOP)を用いた多剤併用療法が一般的です。高悪性度リンパ腫だった場合、無治療の際の生存期間は1−2カ月程度と言われていますが、CHOP療法を用いた際の奏功率はおおむね90%であり、生存期間は300日程度となります。 本症例は細胞診で診断がつかず、クローナリティー検査の結果と併せての診断となりましたが、治療によりQOLの改善が認められました。