2018.05.25
アトピー性皮膚炎について
こんにちは。獣医師の清水です。
今回、犬のアトピー性皮膚炎についてお話しようと思います。
人のアトピーは聞いた事あるけれど、わんちゃんにも同じようにアトピーってあるの?!と驚かれる方もいらっしゃいますが、
わんちゃんも人と同じように強いかゆみを伴う湿疹が症状として現れます。
近年、アトピー性皮膚炎は人だけでなくわんちゃんでも増加傾向にあるようです。
そもそもアトピーとはギリシャ語で「奇妙な」という語源があり、原因がはっきり分からないかゆみが突然現れる病気とされていました。たしかにアトピー性皮膚炎の診断は難しく、現在アトピー性皮膚炎を確定診断できる検査は存在しません。似たような症状を示す疾患を除外して、症状から診断することになります。
アトピー性皮膚炎の原因は、大きく分けて環境の要因と遺伝的な要因によって発症すると言われています。
環境の要因として、ハウスダスト、花粉、カビ、ノミやダニ等のさまざまなものに体が反応してかゆみを引き起こします。いわゆるアレルギー反応です。アトピー性皮膚炎にはアレルギーが関連しているので、アレルギー検査を行ってかゆみを起こしやすいアレルゲンを特定することで症状を抑える助けになるかもしれません。また、わんちゃんが普段過ごす環境を清潔に保つことは非常に重要です。おさんぽから帰った後に体を拭いてあげたり、いつも寝ているベッドや布団にこまめに掃除機をかけてあげる、定期的なシャンプーをしてあげることも大切です。
また、遺伝的な要因としてもともと皮膚のバリア機能が正常よりも弱くなっています。
皮膚に必要な成分を補うようなフードに変更したり、保湿剤やサプリ等でケアしてあげる事も方法のひとつです。
アトピー性皮膚炎の治療としては、症状に合わせて外用薬や内服薬などで皮膚の炎症を抑えていく必要があります。また、強いかゆみを伴うのでかきむしったり、噛んだりすることで余計に皮膚が弱くなってしまい、そこに細菌が感染するとどんどん皮膚悪くなってしまいます。かきむしったりしないようにお洋服を着たり、エリザベスカラーを付けたりすることも必要になる場合があります。
一度アトピー性皮膚炎が疑われた場合、症状は悪くなったり良くなったりを繰り返すことが多いため、症状に合わせて適切に治療していくことが大事です。かくいう私もアトピー体質で、かゆくてツラい気持ちはよく分かります((+_+))治療に関してはいつでもご相談下さい。
最後に、最近旅行で生まれて初めて富士山と白糸の滝を見に行きました!天気も良く晴れて絶景だったので写真載せてみました!