2021.03.28
ネコちゃんのフィラリア予防
獣医師の古荘です。春になってきましたねー。寒いのが本当に嫌いなので、嬉しい限りです。我が家の植木も花が咲いてきて一気に春らしくなってきました。
写真はシークワーサー(白い花)とアーモンド(桜みたいな花)の花です。
春と言えば、ワンちゃんはフィラリアなどの予防のシーズンになりますので、一気に病院が混み合うシーズンとなります。このフィラリア症、ワンちゃんを飼われている方には一般的なのですが、猫ちゃんだけを飼われている方はまだご存知ない方も多くいらっしゃいます。
従前はフィラリアは犬の病気と言われていましたが、近年では、猫ちゃんにも感染しの突然死の原因になっていることがわかってきており、猫ちゃんも予防が推奨されてきています。
フィラリア症は、蚊から感染する寄生虫で、最終的に30センチ前後の寄生虫が心臓に寄生し、血液の流れが悪くなり全身に様々な症状を引き起こす恐ろしい病気です。感染すると駆虫が大変で猫ちゃんは治療法がほとんどありません。本来、ワンちゃんに多く見られる病気で、ワンちゃんの予防は広く浸透してきたため感染率は下がってきましたが、最近では猫ちゃんにも感染することがわかってきて、あるデータでは10頭に1頭が感染していると言われていますが、予防率はまだまだ高くありません。
猫ちゃんのフィラリア症のよく見られる症状は、咳・呼吸困難・食欲不振・体重減少・嘔吐・失明・けいれん・疲れやすいなどと行った他の病気と区別が難しい症状で、また検査でも感染がわかりにくいため、発見されにくいです。また突然死の10%はフィラリアによるものだと言われてるとても恐い病気でもあります。
猫のフィラリア症の3段階あります。
まず、猫の体内に入ったフィラリアは体内を移動しながらその大半が死亡しますが、この死亡した幼虫によって喘息のような咳の症状が多く出ると言われます。
次に生き残ったフィラリアは成虫となり、その成虫が寿命で死亡した際に10〜20%の猫ちゃんが突然死をすると言われます。
その後、成虫の死体で受けたダメージによって慢性呼吸器疾患が起こります。
猫では根本治療はないので予防が唯一の方法となります。
今まではあまり感染率が高くないと考えられていたため、あまり猫ちゃんの予防は広まっていませんでしたが、近年、上記のようなことがわかってきたため、予防が推奨されてきています。
当院では、ノミダニ予防の効果も一緒になったスポットタイプ(背中につける)の予防薬をご用意していますのでご希望の方は申し付けください。