2017.09.11
ノミアレルギー性皮膚炎
こんにちは。獣医師の清水です。
今回は、ノミアレルギー性皮膚炎についてお話しようと思います。
ワンちゃんネコちゃんの体に寄生したノミの唾液や体の一部に対して体がアレルギー反応を示すことで発症します。単純にノミが寄生し吸血することで、かゆみや炎症さらには舐めたり搔きむしったりすることで皮膚炎を起こすこともありますが、これはアレルギー性のものではなく、寄生したノミの数と症状に関連が認められます。一方、ノミアレルギーは寄生されたノミの数に関わらず顕著な症状を示します。
ノミに何度も刺されることで発症しやすくなりますが、特にアトピー体質や食物アレルギーを持っているワンちゃんネコちゃんでは発症しやすいと言われています。
症状としては、かゆみを伴った湿疹が尾根部、大腿部、鼠径部にあらわれ、かゆみから自傷性の脱毛や色素沈着、フケやカサブタが認められます。
これらの症状とともにノミの寄生がある場合、ノミアレルギーの疑いが強くなります。また、ノミ自体が見当たらなくても、黒いフケのようなものが体毛に付着している場合、ノミの糞かもしれません。確かめる方法としては、それらを水に濡らしたティッシュの上に乗せて数分おいておくと、吸血した血の成分が滲んで周囲が赤っぽくなります。
ノミアレルギー性皮膚炎の治療は、皮膚のかゆみや炎症症状を治療すること同時に、ノミの駆除が重要となってきます。ノミは環境中に産卵し、孵化した幼虫が蛹となり、蛹が羽化して成虫となり動物の体表に寄生するという生活環を繰り返しています。つまり、ノミが寄生しているということはその周囲の環境中にもノミがいるということになります。
ワンちゃんネコちゃんに寄生したノミの駆除はもちろん、室内に存在するノミの卵や幼虫を機械的に掃除機などで取り除き、毛布や寝具は洗濯して餌となる有機物を取り除くようにするのがよいでしょう。ノミと聞くと何となく夏場だけ活動しているイメージがありますが、10℃以上あればノミの卵は孵化するそうです。冬場でも暖かい室内ではノミは産卵孵化を繰り返しているため、できるだけノミの駆除は一年を通して行うのが望ましいです。
ノミ予防についても、食べるタイプの予防薬や背中に垂らすタイプの予防薬がありますが、どういった予防薬が良いか等お気軽にご相談ください。
最後に、日本一長いつり橋と言われている谷瀬の吊り橋渡ってきたのでその時の写真を載せてみました。割としっかりしたつくりなのですが、高さ54mはなかなか怖かったです。怖くて立ち止まりそうでしたが、後ろから人がどんどん来るので、強制的に渡り切った感じでした。吊り橋好きな方もそうでない方も、なかなかスリリングなのでぜひ一度行ってみて下さい。