2014.04.27
乳腺のしこり
獣医師の長澤です。
今回は病院でもよく診る機会の多い、ワンちゃんの乳腺のしこりについてお話します。
ワンちゃんの乳腺は基本的には左右5つずつの乳腺があって、体内ではそれぞれがつながっています。乳腺部分に「しこり」ができるのが乳腺腫瘍です。普段ワンちゃんのお手入れなどで気付かれる飼い主様も多いです。
このしこりを見た目だけでは、良性か悪性かは判断出来ません。しこりの一部を採取して病理組織検査により良性か悪性かの判断をします。
女の子のワンちゃんに多い腫瘍がこの乳腺腫瘍です。一般的には乳がんと呼ばれ、犬の乳房(乳腺)部分にできます。 まれに男の子にも発症することがあります。
乳腺腫瘍の発症率は、初回発情の前に避妊手術を受けると0.05%、一回発情を経験すると8%、二回発情を迎えてしまうと26%というデータがあります。
特に子供を生ませることを考えてなければ、子犬のうちに避妊手術を受けることで乳がんをはじめ子宮蓄膿症などの恐ろしい病気を予防することができます。
特に10歳を過ぎた頃の女の子のワンちゃんに発症例が多く、妊娠の経験の有無に関係なく発症しているようです。
もし「これはもしや?」と思うものがある場合は一度診察に来てください。