2016.05.11
外耳炎について
こんにちは。獣医師の木村です。
今回は、外耳炎について少しお話ししたいと思います。
犬の外耳炎とは、音が通る道、外耳道に炎症が起きている状態です。
耳の中で細菌や真菌などが繁殖したり、アレルギーやアトピーが原因で起きる炎症や、腫瘍や異物などにより起きる炎症性疾患を外耳炎といいます。
外耳炎の主な症状は、
頭を激しく振る行為をする、耳をよく掻く、耳が腫れる、耳から臭いのきつい垢がでてくる、耳垢がベトベトしている、外耳道の皮膚が分厚くなる、耳の中に湿疹ができる、耳を触るのを嫌がるなどがあります。
中耳や内耳にまで影響がでる重症化した場合には、頭を片側に傾ける、嘔吐、ふらつきなどの症状がでます。
垂れ耳の犬、アレルギー性皮膚炎を起こしやすい犬種で外耳炎になりやすいので注意しましょう。
外耳炎を起こす原因は様々です。細菌や真菌が耳垢に繁殖することによって起こる場合や、耳ヒゼンダニが寄生することによって起こることもあります。また、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎などの全身性の皮膚病に併発して起こるといったケース、ホルモン異常、腫瘍や異物により外耳道が狭まること、耳のケア不足などによってなることもあります。
外耳炎の治療は耳の洗浄が効果的ですが、あわせてその原因を取り除くことが大切です。細菌、真菌の繁殖が原因の場合、抗生物質や抗真菌剤を用います。耳ヒゼンダニの寄生が原因の場合、駆除薬を投与します。また、アトピー性などの全身性の皮膚病が原因の場合、その治療を行います。
外耳炎は慢性化、再発しやすい病気なので根気よく治療を続けることが大切です。
日頃から耳のチェックを行い、耳垢がたまってないか確認しましょう!
頭を振ったり耳を掻く様子が頻繁に見受けられる場合、ワンちゃんからの大きなサインかもしれません。このような症状がみられた場合には、当院にご相談ください。