2016.06.12
新薬の説明会を開催しました
獣医師の古荘です。6月になり過ごしやすい気温から、昼間は暑すぎるくらいの気温になってきました。
個人的には、夏が好きなのでテンションが上がっていく日々ですが、特にワンちゃんは皮膚や耳のトラブルで来院される方が多くなっているように感じます。
気温、湿度が高いと細菌が増殖しやすくなり、痒みがでやすくなります。日々のお手入れに気を付けるとともに、異変があれば早めにご来院ください。
先日、アレルギー・アトピー性皮膚炎の新薬が近日発売されることに伴い、メーカーの方に来て頂き獣医師向けの説明会を開催しました。
この薬は、痒みや炎症のサイクルに関与する特定の生体内物質を特異的に阻害する薬で、即効で痒みを抑えると同時に、副作用も少ないと言われています。
海外では既に使用されており、痒みや炎症を抑える面で高い有効性が報告されているようです。
この様な薬は”分子標的薬”と呼ばれ、簡単に言うと病気に関与する特定の物質にだけピンポイントで効くので、理論的には効果が高く、余分なところに作用しないので副作用が少ないと言われています。(最近は、抗ガン剤などでもこの種の薬の研究が盛んで、将来的に非常に期待されている分野です。)
アトピーやアレルギーで悩まれている方は、効果の高い新薬と聞くとかなり興味を持たれるかもしれません。個人的にも、大学時代(もう10年近く前なのでウロ覚えですが^^;;)、その頃出始めだった分子標的薬の抗ガン剤に関連する研究をしていたこともあり、この種の新薬には思い入れもあり非常に期待している面もあります。
しかし、新しいものは薬に限らず何でもそうかもしれませんが、最初の触れ込みはセンセーショナルですが実際には…というものも少なからずあります。
本院では効果の程度、適応症例、副作用など、実際の使用情報を集めた上で、導入・使用を慎重に検討していきたいと思いますので、決まりましたら改めてお知らせします。