動物病院アニマルプラス
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2017.06.04

歯石のお話+宮古島情報

獣医師の古荘です。フィラリアや狂犬病予防シーズンのため最近は診察をお待たせする時間が長くなっており大変申し訳ありません。少しでもお待たせしないよう努力していきますのでご理解の程よろしくお願いします。
  今週、元F1レーサー佐藤琢磨選手が、日本人で初めて世界三大モーターレースの一つであるインディ500で優勝されました!これは本当に凄いことで(テニスでいえば錦織選手がウィンブルドンに勝ったくらいの)もっと話題になって欲しいなと思い始めに書かせて頂きました。   話は変わって、少し前になりますが連休を頂いたので沖縄の宮古島に行ってきました。 宮古島はとにかく海がキレイ!まさに佐藤選手と同様、世界レベルの海で、特殊な地形からダイビングスポットも多く、綺麗な景色もたくさんあり、観光に困らない程度に便利ですが都会すぎず最高の島だと思います。オススメは最近宮古島と橋で繋がった伊良部島(写真)です。 OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA 今は長閑な伊良部にも国際線とLCC専用の空港ができるらしく(訓練に使っていた広い滑走路がすでにあるので、噂ではそう遠くない先に開港するとか…)最高に綺麗な海も今が最後のベストかもしれないですね。
  3月の沖縄は、こっちで言えば晴れの日は真夏、曇れば春と言った気候ですので、晴れの日は普通に海で泳げますが曇れば(特に風が強いと)相当頑張らないと海には入れない…ので、運は必要ですがコスト的にも混み具合的にもメリットがあります。個人的には、3月の何とも言えない空気感は観光地感がいい具合に抜けていて好きです。興味のある方は来年の春休みの旅先にご検討ください。
 
  春は避妊去勢手術の子も少し増える時期です。歯が汚れている方には歯石除去も合わせてオススメしています。今回は歯石についてお話しします。 歯周病は中〜高齢のワンちゃんの多くがなる病気です。3歳以上のほとんどのワンちゃんがなっているとの報告や、2歳以上の80%以上が歯周病になっているという報告もあり、ワンちゃんの歯周病の多さを物語っています。 歯周病については、1940年頃からにすでに外科的治療をおこなうべき疾患と指摘されており、放置すると歯肉炎、口臭、歯の喪失、根尖周囲膿瘍(歯の根元に膿が溜まりそれが周囲に波及することで眼の下や鼻の腫れや瘻管形成(膿んでくることで穴があく)などがおこる)、下顎骨の歯周病性骨折の他、心臓や腎臓などに二次的に疾患を起こすこともあります。
  予防には… ①普段からハミガキなどで歯垢(しこう)の段階から除去する →歯垢は、細菌や汚れの塊ですが、口腔内の細菌は歯垢の中で細菌が有利に増殖できる環境を作りますので、炎症などが起こりやすくなります。 歯垢は3〜5日程度で歯石になります。歯石が付着することでより一層歯垢が付着するようになり炎症などが起こりやすくなります。歯石はハミガキでは除去できません。
  歯石を除去するには… ①病院での除去(要麻酔) 動物病院で歯石除去を行う場合は、超音波スケーラー(ヒトの歯医者での歯石とりと同じ方法と思えばいいと思います)を使います。動かずに口の中を処置することはできないので全身麻酔が必要となりますが、隅々まで歯石をとることができますし、動揺歯(歯肉に炎症を起こしてぐらついている歯は将来的に歯肉の悪化に繋がりますので抜いた方がよい)も同時に抜歯できますし、ポリッッシング(歯表面の研磨。歯石除去した歯の表面は粗造になるため歯石が付きやすくなることがあるので研磨することで歯石の付着を軽減できる)を同時にすることで今後のケアにも有効となります。
  全身麻酔になりますので、そのリスクは伴いますが、歯周病に伴う病気のリスクを考えればある程度歯石が付着すれば病院での歯石除去を行った方がよいでしょう。 麻酔のリスクを恐れて歯石を放置し続けた結果、眼の下などに穴が空き、麻酔下での処置を避けられなくなった上に、よりリスクの高い状態(高齢や病気)での麻酔になってしまうことも珍しくありません。
  歯石の除去は、いわば”お口の中の大掃除”です。そのあと放置すればまたすぐに歯石が付着してきます。 できるだけ麻酔での処置をしなくて済むよう、普段から予防につとめましょう。
  歯石が付かない予防の最も良い方法は、ブラッシングです。歯垢が3日で歯石になることを考えると毎日〜1日おきでのハミガキが必要ですが、ワンちゃんの性格的に不可能なことも多くあると思います。 そういった場合は、療法食や洗口液、ガムなどといった商品も販売されています。たくさん商品があり価格も様々ですが、比較的効果があると言われているものもあり、何もしないよりはやってみようくらいの気持ちでやるにはいいかもしれません。選ぶ際は、メーカー独自の治験で、効果をアピールしているものもありますし、アメリカでは獣医歯科学評議会VOHCという機関が一定の効果のある商品を認定しています。日本にはこういった機関はありませんが、アメリカで認定された商品が多く輸入され販売されていますので、こういったものを参考に選ばれてみてもとは思います。興味のある方は是非。