2014.09.11
犬の急性膵炎について
こんにちは、獣医師の中川です。
今回は皆さんにわんちゃんの急性膵炎についてお話します。
急性膵炎とは膵臓自身の消化酵素が異常に活性化してしまい、膵臓自体が強い炎症をおこしてしまう状況です。ひどくなるとその炎症は膵臓だけでなく、周りの臓器にまで波及してしまい、重度の場合は多臓器不全を引き起こし死亡してしまうこともあります。
急性膵炎の原因としては、食事、薬剤、品種、内分泌疾患などさまざまですが、皆さんにとくに気をつけていただきたいのがお食事です。高脂肪なお食事をあげてしまうと急性膵炎になってしまいます。とくにこの時期だと人用のアイスを大量にあげて急性膵炎になってしまうこも多いので、あまりわんちゃんに高脂肪なお食事を大量にあげないようにきをつけてあげてください。
急性肝炎の症状としては食欲不振、頻回嘔吐、腹部の痛みなどがみられます。
治療としてはまずは嘔吐や下痢でなくなった水分の補給と膵臓の循環を改善してあげることを目的とした輸液をおこなっていきます。また痛みにたいしては鎮痛剤を投与し、吐き気止めのお薬を処方します。また腹痛や嘔吐が止まるまでは絶飲絶食を行います。徐々に低脂肪食をあげていき症状が再燃しないか注意深く治療をすすめていきます。
この時期は人もワンちゃんも冷たく甘い誘惑が多くなる時期ですが、もしかしたらその一口がワンちゃんにとってとても大変な病気の一口になってしまうかもしれませんので、この夏はくれぐれも注意してあげてください。