2014.10.05
猫が皮膚を痒がる時
こんにちは。獣医師の山口です。
すっかり季節は秋ですね。出勤する明け方は寒く感じるようになりました。人も動物も過ごしやすい気温となりましたが、ノミ、蚊はまだまだ非常に多いですからしっかり予防してくださいね。
さて、今日は猫のノミについてお話したいと思います。
猫の皮膚病は原因を見つけるのが難しく、なかなか治りにくい事が多いです。
痒がる(舐める・掻く)のは、精神的なストレスや癖、アレルギー、ノミダニなど原因は多くあるため特定するには困難な場合があります。
よく飼い主様に、「痒がるからノミがいると思う。駆除してほしい。」と言われることがあります。確かにノミが寄生していて咬まれると痒みを発しますのでフロントラインなどの駆除薬は必須ですが、実はそれだけでは痒みが取れないことがあります。
「ノミ駆除したのに痒がるからノミが原因ではなかった」と思われがちですが、ノミアレルギーの子はノミの唾液に対してアレルギーを発し痒みを訴えますので、その唾液を洗い流すこと、そして抗アレルギー薬を併用しないとなかなかよくなりません。そして一度アレルゲンが感作されると体から抜けるまで時間がかかりますのですぐに改善するわけではないのです。
ノミは家の中でもいる可能性はあります。特にタンスの後ろやほこりが溜まりやすい隅などの暗い場所にノミは巣を作っています。難治性のアレルギーになる前に、しっかり予防することが大切ですので、部屋の掃除、ノミ駆除薬をしっかり行って行きましょう。