動物病院アニマルプラス
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2021.10.17

腸活

獣医師の古荘です。突然ですが、”腸活”という言葉をご存知ですか?

 

腸内環境のバランスを整えることですが、腸は「第2の脳」と⾔われ、腸が健康だと、便通だけではなく、ダイエット、肌、メンタルヘルス、免疫⼒向上と様々な機能が改善されると⾔われています。最近は様々な研究があり、ガンや認知症、アトピーなどにも効果があることがわかってきています。

個人的に、健康が気になる年齢となってきたこと、何年も前からですが偏頭痛や悪心など体調不良が度々あることから健康維持について調べていたところ、「腸活」の大きな可能性に行き着きました。

 

なんとなく腸活がいいというのはよく聞いていましたが、今まで自分が持っていたイメージよりももっと広範囲で腸内細菌が関わっていること、たとえば、「腸ー皮膚相関」や「腸ー脳相関」と言って腸とは大きく離れた組織の健康や、消化管とは関連のない組織の腫瘍などにも大きく腸内細菌叢が影響していることが科学的に実証されてきていることを知りました。

 

そこで、ワンちゃんについても調べてみたところ、ヒトとは腸内細菌叢は近いとも言われてはいるのですが、加齢による変化はヒトとは全く違うなど異なることもやはり多いようで、一概にヒトの腸活がそのまま応用できるわけではなさそうでした。

 

その中で、ワンちゃんに関する腸内細菌叢の論文を探してみたところ、アトピー性皮膚炎に対する効果や抗酸化力を上げる(つまり抗老化に結びつく)といった効果があると報告がありました。腸内環境を整えるためには、プレバイオティクス(生きた菌を摂取)やプロバイオティクス(菌のエサになるものを摂取)、バイオジェニックス(腸内フローラを介することなく直接生体に作用するもの)といったものがあるのですが、これらを組み合わせて摂取することが、より効果的というのが定説となっているようです。

 

アトピーで困っているワンちゃんは非常に多いですし、老化は誰もが避けて通れない道ですので、いつまでも元気で健康な生活を送れるように、今後診療にも生かしていきたいと思います。

最後に、我が家でシークワーサーが収穫できました。今年初めて実が成ったのですが、100個以上の豊作でした。↓

シークワーサーも認知症予防やダイエット、肝機能改善、抗がん効果に優れた成分がみかんの10倍以上含まれる健康にいい果物だそうです。