動物病院アニマルプラス
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2021.02.09

犬種学2

こんにちは。トリマーの谷口です。

以前にも投稿した犬種学に関連するお話を1つ。

前回は犬種毎のルーツを知ると愛犬の見え方が変わるかもしれません、というところのお話でした。

今回はより特徴的な部分のお話になります。

専門学校時代の先生から聞いたお話ですが、いつもお散歩中に出会うシェットランドシープドッグがいたそうです。前胸の飾り毛が立派で、人懐っこく、どこか自信に溢れた雰囲気のかわいらしい子だったそうです。綺麗なシェルティさんでいつも触れ合っていたそうです。

そんな子がある日、いつもの様に会った時に、それまでなら自信満々で歩いていてすれ違う人に挨拶して回っていたのが飼い主さんの影に隠れて出てこないことがあったそうです。よく見ると立派な飾り毛がすっきりなくなっていて、全身短く刈り込まれていたそうです。

その日からしばらくお散歩中に会ってもよそよそしく、何かに怯えている様な雰囲気だったそうで流石に飼い主さんも困ってしまって相談されたそうです。

体調に異変もなく、ご飯も食べる、下痢もしてないし吐いてもいない。おうちにいる間は以前と全く変わらないのにお散歩に出ると途端に臆病になってしまう。どうしてなのかわからないと言われたそうです。

それを聞いた先生はピンときて、そうなったのは毛を刈り込んでからではないですか?と聞いたそうです。飼い主さんはその通りだと驚いたそうです。そして先生は被毛が元通り伸びきるまでは無理にお散歩に行かずに伸びきったら連れ出してあげたら良いと伝え、その日は帰宅しました。

しばらくしてお散歩中に出会ったその子は以前の様に自信に溢れた雰囲気で、陽気に挨拶して触れ合ってくれるようになったそうです。もちろん被毛は元通りになっていたとのこと。

先生曰く、シェルティさんの被毛が豊かなのも必要があってそうなっているもので、それがあるから自信を持って過ごせていたんじゃないかと思う。その犬種らしさがこういった形で出てくることもあるから仕事でトリミングをするようになってからも安易に刈り込んでしまうのではなく、本来の姿がどういったもので刈り込むことで起こりうることを考え、飼い主さんとよくよく相談してカット内容を決めるべきだ、と教わりました。

簡単なことではありませんが、飼い主さんと愛犬の間に立ち、飼い主さんの希望とその子自身の心身の健康のバランスを考えてカット内容を提案していかないといけないな、と思っております。

細かく説明したり、確認したりで面倒に思われるかもしれませんが良い塩梅の所を模索してのことですので気長にお付き合い頂けますと幸いです。

なるべくご希望に沿うように、でも健康を害さない形を提案できるトリマーを目指します!