動物病院アニマルプラス
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2021.08.25

皮膚の話

獣医師の古荘です。

ワンちゃんは慢性的に皮膚疾患に悩まれている方が多いです。1年を通して悩まれている方も多いですが、特に夏は、皮膚や耳のトラブルが増える時期です。今回は皮膚の病気についてお話しします。

 

皮膚の病気はたくさんありますが、大きく分けると3つに分けられます。

①感染性のもの(細菌、真菌、外部寄生など)

②免疫が関与するもの(アレルギー、アトピーなど)

③全身性のホルモン関連(甲状腺機能低下症、クッシング症候群など)

 

①について、一番多いのは細菌やマラセチアによるもので、特に暑い時期に増えます。皮膚に元々いる”常在菌”が悪さをしていることがほとんどです。原因となるものが常に存在し続けるので、なくなることはありません。ですので、一箇所が治ったかと思ったら、他の場所に再発したり、季節性で良くなったり悪くなったりを繰り返したりしやすいです。主に局所または全身性の抗生剤で治療しますが、分泌物や瘡蓋のようなものが皮膚にたくさんついたり、ベタついたり、皮膚のコンディション自体も悪くなるので、薬用のシャンプーなどで皮膚のコンディションを整えることも重要です。また、再発の予防にもシャンプーは重要です。

真菌は、いわゆるカビですが、細菌性皮膚炎との違いは、他から感染してくるものです。ですので、完治できます。

他には、ノミによるものや皮膚の中に寄生するニキビダニなどによるものもあります。

 

②もワンちゃんでは多く、比較的若齢(3歳以下)から症状が出ることが多いですが、ある程度年齢がいってから出ることもありますし、年齢と共に悪化することも多いです。アレルギー検査で軽減することもありますが、原因がはっきりしないものも多く、また環境性などの除去できないアレルゲンも多いので、アレルギー検査だけで完治とは行かないことが多いです。

かなり重度の炎症で皮膚が変化することもありますし、外見上は正常だが痒みだけがある場合もあります。基本的には炎症や痒みを抑える薬(分子標的薬、ステロイド、免疫抑制剤)などで症状を抑えますが、アトピーの子は皮膚の防御力が弱かったり、ベタつきなどの皮膚コンディションの悪化が起こりやすいので、二次的に①を併発しやすいので、その時の状態により抗生剤などを併用したり、その時の状態に応じてシャンプーを選んで適切な頻度でシャンプーすることも重要です。

 

③は、全身性の疾患に伴い、皮膚に変化が出るものです。比較的多いホルモンの病気は、脱毛や皮膚が弱くなったりはありますが、基本的に痒みはありません。ただし、皮膚の免疫力が落ちることで二次的に①を併発しやすいので、併発すると痒みや炎症が出てきます。皮膚炎が良化しにくい時に、こういった全身性の病気が隠れていることも多いです。

原疾患の治療をしながら、二次的な病変があれば適宜治療を行います。

皮膚疾患は、完治とならず繰り返したり、付き合って行かないといけない場合が多いです。また二次的な病変も出やすいので、単に薬を飲むだけでなく、定期的なシャンプーなどといった日常のお手入れも大切になってきます。

 

本院でトリミングを受けられる方は、皮膚のコンディションに応じて、獣医師がシャンプーをチョイスしています。また必要な子には薬浴剤も追加料金なしで使用していますので、スキンケアの一貫としてもご活用ください。

 

最後に、今年我が家でできたシークワーサーの写真です。今年は豊作で100個近くなりました。コロナで今年は沖縄に行けてないので、気分だけ味わいます。