2026.10.08
動物の飲水量
犬と猫、どちらが水をたくさん飲む?
実は、動物によって「必要な水分量」が違うのには、ちゃんと理由があります。
その秘密は、
どんな環境で暮らしてきたか
何を食べてきたか
体や臓器がどんな構造になっているか
にあります。
今回は、犬・猫・人・馬を比べてみましょう!
1日に必要な水分量の目安
※ここでいう水分量は「飲み水だけ」ではなく、食事に含まれる水分なども含めた総水分量の目安です。
犬:約50〜60 mL/kg/日
猫:約40〜60 mL/kg/日
人:約30〜40 mL/kg/日程度
馬:約50〜60 mL/kg/日程度
ただし、これはあくまで目安。
気温・運動量・食事・発汗・体調などによって大きく変わります。
では、なぜ動物によって違うのでしょうか?
猫は「少ない水を上手に使う」動物
猫の面白いところは、腎臓の働きです。
猫は乾燥した環境でも生きられるように進化してきたと考えられており、
少ない水分をできるだけ体内に残す
ことが得意です。
そのため、腎臓で水分を回収して、
かなり濃い尿を作る能力があります。
つまり猫は、
水をたくさん飲んで補う
というより、
食事から水分をとる
+
腎臓で水分を無駄なく使う
という方法に適応してきた動物なんです。
だから猫では、
ウェットフード
水分を多く含む食事
などから水分をとることも重要です。
ただし、猫の腎臓は「水不足に強い=腎臓病になりにくい」という意味ではありません。
むしろ、猫では慢性腎臓病が非常に多いため、日頃から十分な水分を確保することが大切です。
犬はどう?
犬も猫と同じように腎臓で尿を濃縮できますが、猫ほど極端な乾燥環境への適応はありません。
さらに犬は、
パンティング
によって体温を調節します。
暑い日や運動後には呼吸が速くなり、呼吸による水分の損失が増えます。
そのため、
☀️暑い
たくさん運動する
パンティングが多い
↓
水分の必要量が増える
ということがあります。
人間は「汗をかいて冷やす」
人間の特徴は、
全身にたくさんの汗腺があること。
暑くなると汗をかき、その汗が蒸発するときの気化熱によって体温を下げます。
とても効率的な冷却システムですが、
汗をかく=水分を失う
ということ。
さらに大量に汗をかくと、ナトリウムなどの電解質も失われます。
だから、
☀️暑い日
運動
大量の発汗
では、水分だけでなく電解質の補給も重要になることがあります。
馬は「汗をかいて冷やす」スペシャリスト
馬も人間と同じように、汗を利用して体温を調節します。
しかも馬は体が大きく、運動すると大量の熱を作ります。
そのため、
運動+暑さ+発汗
が重なると、水分の必要量が一気に増えます。
500kgの馬なら、通常でも1日に約25〜30Lの水分が必要になることがあります。
さらに激しい運動や暑い環境では、汗による水分・電解質の損失が非常に大きくなります。
つまり馬にとって水は、
「飲み物」ではなく、体温調節を支える重要な生理機能の一部
ともいえます。
☀️ 夏になると、みんな同じように水が必要?
いいえ。
ここが今回のポイントです。
同じ暑さでも、動物によって水分を失う方法が違います。
犬
→ パンティングによる水分損失
猫
→ もともと水分を節約する能力が高いが、暑さや体調によって必要量は増える
人
→ 大量の発汗による水分・電解質損失
馬
→ 大量の発汗による水分・電解質損失
つまり、
「どれくらい水を飲むか」だけではなく、
「体がどうやって水分を失うのか」
も重要なんです。
動物によって「水の使い方」そのものが違う!
動物の水分管理を比べてみると、とても面白い違いがあります。
猫
→ 腎臓で水を回収して、濃い尿を作るのが得意
犬
→ パンティングで体温を調節するため、水分損失が増えることがある
人
→ 汗をかいて体温を下げる
馬
→ 大きな体から発生する熱を大量の発汗で逃がす
それぞれが、
「自分の体の構造と生活環境に合った方法」
で水分を調節しているんですね。
飼い主さんに知ってほしいこと
だから犬や猫では、
いつでも新鮮な水を飲めるようにする
暑い日は水を切らさない
猫は水飲み場を複数用意する
ウェットフードなど食事からの水分も活用する
ことが大切です。
そして、
「最近、水を飲む量が増えた」
という変化にも注意してください。
水をたくさん飲む・尿が増えるという変化は、
腎臓病
糖尿病
内分泌疾患
その他の病気
などで見られることがあります。
水は、ただ「飲めばいい」ものではありません。
動物たちは、
腎臓・皮膚・呼吸・食事・体温調節
など、体のさまざまな仕組みを使って水分を調節しています。
「水を飲む」という同じ行動でも、
その裏側にある体の仕組みはこんなに違うんです。
