2026.10.18
犬の腎臓病シリーズ 第3回
血液検査だけでは不十分?
腎臓病で見逃したくない「尿検査」と「血圧」
腎臓病の状態を知るためには、血液検査だけでなく、尿や血圧から得られる情報も大切です。
💡 今回のポイント
同じ腎臓病のステージでも、尿蛋白や高血圧の有無によって、必要な管理が異なることがあります。
1尿比重で何がわかる?
尿比重は、尿がどの程度濃縮されているかを示す指標です。腎臓には、体内の水分を調節するために尿を濃縮する働きがあります。
🔎 ここをチェック
腎機能が低下すると、尿を十分に濃縮できなくなる場合があります。ただし、飲水量、点滴、薬剤、ほかの病気なども影響するため、尿比重だけでは腎臓病を診断できません。
2尿蛋白・UPCはなぜ重要?
尿蛋白は、尿に蛋白質が漏れ出ていないかを調べる検査です。尿蛋白/クレアチニン比(UPC)は、尿中の蛋白質を評価するために使われます。
| 犬のUPC | 分類の目安 |
|---|---|
| 0.2未満 | 非蛋白尿 |
| 0.2〜0.5 | 境界域蛋白尿 |
| 0.5超 | 蛋白尿 |
※尿沈渣、尿路感染などの影響を確認し、持続性を評価して判断します。
🌱 なぜ確認するの?
持続的な蛋白尿は、腎障害の進行と関連することがあります。原因を調べ、必要に応じて治療を検討します。
3腎臓病なのに、なぜ血圧を測るの?
腎臓病では高血圧を合併することがあり、高血圧が腎臓に負担をかけることもあります。
高血圧が続くと、目、脳、心臓、腎臓などの臓器に障害が起こる可能性があります。
⚠️ 高血圧は見た目だけではわからない
元気や食欲があっても、高血圧が隠れていることがあります。血圧測定は、症状だけでは気づきにくいリスクを評価するために役立ちます。
緊張や興奮で一時的に血圧が上がることもあるため、落ち着いた環境で測定し、必要に応じて再測定します。
4診察で確認したいチェックリスト
- 尿比重は適切に濃縮されているか
- 尿蛋白やUPCに異常はないか
- 尿路感染などの影響はないか
- 血圧は適切に評価されているか
- 異常がある場合、いつ再検査するか
参考:IRIS公式「CKD Staging」「Treatment Recommendations」。UPCの評価は尿沈渣や臨床状況も踏まえて行います。